moGの記録

日記というほど更新頻度は高くない記録

カリグル中心に、ミュミュの思い出をさらさらと

ミュージカル「スタミュ」スピンオフ team柊 単独公演『Caribbean Groove』

 

本当に本当に素晴らしい公演でした。『4日間7公演』という事実に素で「なんで?」と思ってしまうくらいに、スタミュを知っているすべての人に、スタミュを知らない人にも見ていただきたい公演でした。実際にアンフィシアターで観劇できたのは幸せな経験でした。

 

 

 

 

 

1.スタミュによせて

 スタミュ視聴のきっかけはニコニコ動画のアニメランキングでやたら見かけたから。当時、松林だったランキングで再生のわりにコメントの多い公式配信だった。正直私は馬鹿にしながら見ていた。「ねーよwww」と。星谷くんの自信満々な行動が見ていて恥ずかしくなり、2幕の「犯人はこの中にいまぁーす!」の場面は堪らず一時停止した。

 意識が変わったのは5,6幕。アヤナギ・ショウ・タイムを踊る彼らに目を奪われた。キャラクターに・・・というよりすべて手書きで描かれたステージに・・・と言った方がいいかもしれない。

 そこからの行動は早かった。12週連続リリースされたCDを買いあさり、人生で初めてBDを全巻を買い、好きなキャラはヘッドホンの彼と言い出し、設定の考察を知はじめ、聖地巡礼もして、スタッフトークショーには必ず参加し、多田監督・ハラダさん・くまのさん・六ッ美さん・杉本さん・藤平さんにお手紙を書く・・・などなど。今思い返しても自らの変化に驚きを隠せない。

 

 

 

2.スタミュミュによせて

 

  あれは忘れもしない2016年11月5日。AGFで発表されたミュージカル化。その時、私は頭を抱えていた。ほぼ初対面のスタミュの女たちに囲まれて「まじかー。2.5かー。まじかー・・・。」を繰り返していた。

 2.5に対する気持ちは苦手意識というよりも、個人的に高額であるという点とお世辞にも歌がうまいと思えない事の方が大きかった。高額であるかどうかは個人の見解として、歌がうまいと思えないのには理由があった。情報源がニコニコ動画・生放送だったからだ。お察しである。生音源・生歌をそのクオリティのまま、生放送・収録するのは不可能だ。特に編集されていない生放送は台詞もあるためか、音楽と歌声のバランスがどうしても声の方に寄ってしまう。歌がうまいと思えない原因だった。もちろん、この発表の時点でそんなことわかるはずもなく、私は頭を抱えていた。

 しかし「じゃぁどうするの?」と言われれば「いや、見ますけどね」と真顔で答えた。理由は簡単。スタミュだから、その1点である。

 

 そのときいた舞台観劇経験者からのアドバイスは4つ。

 

  1. 初日は見た方がいい
  2. 千秋楽は言わずもがな
  3. すると自然ともう数公演見たくなる
  4. チケットは抽選じゃない、もぎ取れ

 

 

この人たちはいったい何を言っているんだ???????

そう思ったのはミュミュ1stがはじまる前日まで。

 

 

 

3.1st

 

 年が明けて2017年1月。キャストが発表された。月皇くんのキャストがアニメの”中の人”だった。それだけでも見る価値があった。というのも、スタミュという作品が好きなだけで、声優さんの名前も顔も、役者さんの名前も顔もほとんど知らない私にとってランズ兄やんことアーサーさんは、名前も顔もわかる数少ない役者さんだった。中の人がミュージカルでも演じる、個人的に胸熱な展開だった。

 ちなみにこの日、アニメ2期ストテラの4人のキャストも発表され、アラビアンなSDキャラも公開されたこともあり、スタミュ好きにとってお祭り騒ぎな1日となった。

 

 チケットがとれたのは2回分。中日と東京千秋楽。初めての2.5次元だった。

 

 

 初日の終演後、twitterの様子がおかしい。誰もかれもがもう1度見たいと言っている。もしくは『やばい』としか呟かない。え?平気?めっちゃ怖いんだけど?語彙力どこに落としてきたの?なに?なにがあったの?いやいや、みんな見るまでそんなんじゃなかったでしょ?と不安な3日間を過ごした。

 そして4月4日。観劇後

 

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この手のひら返しである。いや、手のひら返しというより体験して初めて理解できたというか、なんというか。一言で言うと音の圧がすごい。生だからこその空気感だ。歌声を聞いて初めて配信との違いを知る。BGMも楽曲もアニメのものでスッと物語に溶け込めた。

 team鳳は見れば見るほどアニメのキャラと重なっていった。華桜会が華麗に燕尾を翻すたび会場の壁に影が落ちた。台詞がなくてもブルズの笑顔がダンスが頭から離れなかった。

 そしてteam柊。アニメ1期では両手(片手)を広げて終わった彼らが『綾薙祭』で『Caribbean Groove』を披露していた。嬉しかった。かっこよかった。その世界観に圧倒された。

 

 

 

4.スピンオフ

 

  次の年の1月。スピンオフが発表された。予想外だった。スタミュのメディアミックスは理解しているつもりだった。アニメにドラマCD・楽曲・コミックス・雑誌掲載SS・星箱SS・イベント・ラジオ・ミュージカル。ビジュアル本やスタッフ本なんて言うのも出た。

 スタッフトークショーの際、お手紙に必ずと言っていいほど『細くてもいいから長くスタミュの世界を続けてください』というようなことを書いていた。どんな展開であろうと媒体であろうと、スタミュの世界が続くことを願っていた。しかし、ミュージカルの方から『team柊』の『単独』『スピンオフ』公演なんていうどでかい展開が来るとは思っていなかった。

 

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このはしゃぎっぷりである。 苦手意識はどこへ置いてきたと聞かれれば、「今は亡きブルーシアターへ」と言わざるをえない。

 後に詳細が発表されて円形劇場と公式ペンライトに違和感を覚えるも、一度は見なければなと行った28日の昼公演。「レビューという形式は初めてだし、ペンラもない・・・ここは彼氏面スタイルで行くか」と軽く思っていた。

 そんな決意も前奏とともにせり上がる舞台、お祭り騒ぎな『WILD CROWN』、そして予想だにしなかった『キラメキラキラ☆』が流れた瞬間、完全に崩壊した。なるほどこれは楽しまないと損をするやつだ、と理解した。そこからは手拍子を続け、声を出し、虎石くんに落とされる観客を菩薩顔で眺めていた。

 

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 この2か月後。配信された映像で初めて千秋楽の挨拶を見た。

 ただただ衝撃だった。

 

 

 

5.2nd

 

 衝撃の視聴から数日後、2ndが始まった。OVAの13,14幕の内容だ。この公演から空閑くんの役者さんが高橋さんから新里さんに変更された。人生初のキャス変だった。人生で初めて自分が追っているジャンルでキャストの変更が行われて、周りには『推しキャラのキャストが変更された人』『推している役者がミュミュから卒業した人』『その両方』という人であふれていた。

 でも新里さんの空閑くんは、寂しさとかやるせなさとかを吹っ飛ばしてくれるくらいに『新里宏太の空閑愁』だった。1人だけ新キャストだった不安を挨拶の時に語っていたけど、空閑愁でいるときの新里さんのパフォーマンスはそんな不安感じさせなかった。

 

  1stを経て成長したスタミュミュの感想は、このフォロワーさんの発言に集約される気がする。

 

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 似たようなことを楽曲のCaribbean Grooveでも思った。2ndの『柊先輩に見てもらいたい卒業セレモニーの演目』であるカリグルを歌う5人に鬼気迫るものを感じたからだ。 

  アニメ1期で披露されなかったカリグルがOVAで披露され、ミュミュ1stを経てレビューという形で『スタミュの世界にあるCaribbean Grooveという演目』が披露された。そしてあの挨拶を聞いた後の2ndで、柊先輩へ贈るカリグル。2次元と3次元をつなぐような2.5次元の演目だった。

 2ndはスタミュミュというより、ただただスタミュそのものだった。それはもう、開演と同時に『スタミュに帰ってきた~』と思ってしまうほどに。

 

 

 

6.シャッフル

 

  シャッフルレビューはチームが揃っている状態で見たい演目(エイプリルフール)だったと言うのと、S&L・華桜会単独・team暁スピンオフを諦めない・・・!と可能性を見出したくなる公演だった。

 ただただ楽しい、シリアスだろうが楽しい。今まで以上にキャストと観客の距離(物理ではない)が近いように感じた。祭・・・というよりイメージ的にはカーニヴァルのただ中にいるような心地だった。でもどんなに楽しい空間でも、締めの挨拶を聞くとうるっとしてしまう。しかたないね。

 

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 そんな楽しい空間の大千秋楽で発表された。Caribbean Groove本編上演とスタミュミュ3rd。

  キャスト変更のないカリグルと詳細が語られない3rd。なんとなく、ただなんとなく「3rdはキャス変あるのかな、それともまだ交渉中だからキャスト発表ないのかな」と思っていた。

 

 

 

7.Caribbean Groove

 

 5月もあとわずか、物販やニコ生振り返り上映が発表され後は本番のみ!というタイミングで発表された3rd詳細。噂レベルだった鈴木さんのみならず、誰にも渡したくないとオーディションを受けたアーサーさん、そして2日後に公演を控えた高野さんの『卒業』と新キャスト、新キャラの発表がなされた。

 何故このタイミングでと思いつつも、このタイミング以外にはあり得なかったと思うに至る。故にカリグルは観劇よりも見届けるという意味合いの方が強くなったのは言うまでもない。

 

 公演当日。チケットがとれたのは初日のみ。最初で最後の航海だった。

 

 感想を先に言うならば。圧巻。ただその一言に尽きる。

 

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 カリグルレビュー公演では舞台にteam柊がいた。学生である彼らのソロ曲・デュエット曲をやったのも理由の一つだと思う。キラメキラキラ☆は戌峰くんと卯川くんの歌だし、ハニトラは虎石くんの、ジエレは辰己くんと申渡くんの歌だ。それがカリグル本編上映ではレビュー公演の流れを踏襲するものの、学生要素を排して再構成されていた。まさにスタミュの世界の演目。舞台の上にいたのは学生でも役者でもない。まぎれもなくあの時代を生きた海賊だった。

 

  本編上映ではレビュー公演と比べ、台詞や曲が増えた分、彼らの心の機微が鮮明に描かれた。

 序盤、まだ幼さの残る16歳のクリスと13歳のアンリは、出生の秘密を知り仲間たちとの関係性を再確認することで心を成長させた。2人を見守り支えていたアルベールは唯一秘密を共有するティエラの前でのみ迷いを打ち明けた。海の上で命知らずなティエラも仲間のこととなると「あぶねぇことをさせたくねぇ」と気遣いを見せる。一人立場の違うジョバンニの心情は序盤から終盤にかけて丁寧に描写された。

 

 そんなカリグルの世界感をより一層深くしたのが、脇を支えるサブキャラ・アンサンブル・ダンサーの皆さんだろう。ジョルジュの叫びに心が震えた。ピエールの叫びには息が詰まるようだった。アモルテの存在感と笑い声に場の空気が変わるのを感じゾクゾクした。アンサンブルを含めたレジスタンスの歌声に胸をうたれた。ダンサーのしなやかなのに力強い表現に目が釘付けになった。

 

 クリスを演じる辰己くんの演技は、子供の無邪気さと大胆さ、(自称)船長としてのカリスマ性、海賊としての残忍さ。色々な面を持ち合わせるクリスの、その切り替えが素晴らしかった。

 

 申渡くんのアルベールは13年もの間、責任と後悔と苦悩を抱えた物語のキーマンだ。その揺れる心を歌った『真実のゆくえ』は素晴らしかった。船を降りた自分のもとに4人が駆け付けた時の表情が忘れられない。

 

 ジョバンニを演じる戌峰くんを見た時、聞いてはいたが今まで目にする機会がなかった演技力・歌唱力・ダンスにおける「天性の才能」を目の当たりにした。彼の演技は天才のそれだった。

 

 虎石くんのティエラは祖国語で『陸』を意味する名を持つ。物語で唯一立場も心情も変わらない人物。仲間のためブレず構え見守り支える、彼にぴったりの役だった。

 

 アンリを演じる卯川くんの演技は、臆病と言われようと、戦闘が苦手だろうと、根底には愛する者たちへの想いがありその思いとともに剣を振るう。序盤終盤で歌い方が変わるのも素晴らしかった。

 

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 ブラッディ・ロジャーはティエラの父亡き後、船長の不在が続き現在の5人の凄腕リーダーがまとめる海賊になった。血のつながりはなくても強い絆で結ばれている。個々が他の4人を見つめるときの、目を細めた愛おしそうな表情がとても好きだ。

 カリグルは2ndで完成したのだと思っていた。完成していたと思う。ただ本編上演がさらに高みへ行ったというだけだ。5人が5人ともキャラとキャストと役者とが重なったような・・・。そんな公演だった。本当に素晴らしかった

 

 

 終演後、客席のため息と共に明るくなる劇場。ざわざわと思い思いの感想が飛び交う瞬間。じわじわと終わったんだと認識し始める。この瞬間がとても好きだ。

 たった一度だけの航海。終わってしまった喪失感と、今日しかこの空気感を味わえないのかという悔しさ。そして、千秋楽は配信で必ず見届けようという決意を胸に、座席がら大量に膝と足元に落ちた落下物を降りてきた後方の皆さんに配っていた。海のように青いテープには5人をモチーフにした髑髏が描かれていた。

 

 

8.おわりに

  team柊はアニメで掲げなかった海賊旗をミュージカルで掲げた。1stで掲げられた素の髑髏はレビュー公演でクラウンを冠した。そして本編上演。クラウンをバイコーンに変えた海賊旗はteam柊のものではなく、血染めの海賊の旗となった。

  彼らが最後に歌うStarship Runwayの歌詞にある

『一緒に悩んだ昨日にThank you 認め合う視線 俺たちは(僕たちは) 永遠に(チームさ) いつだって最高が似合う』

『苦しいときは歌って スター・オブ・スター 帆を上げよう 可能性巻き上げて 挑戦という名の旅へ』

という部分は、海賊の高校生の役者の、どの立場の5人にもピッタリの内容に思う。

 この公演をもって虎石くん役の高野さんは卒業する。それでも高野さんの虎石くんや5人が演じたteam柊が最高だったことに変わりはない。そしてteam柊はスターオブスターだ。これからも進化を続けてほしい。最高のteam柊を見せてほしい。例え誰が離れても。だからこそ、新キャストの高本学さんには拳に物を言わせて全力で殴り込んでほしい。そんな3rdを見てボジョレーコピペばりにteam柊を讃えたい。

 

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 カリグル本編上映を終えて、アニメで言う1期・OVA時空が終了した。3rdはアニメ2期からのストテラ組がやってくる。なんとなくだが、カリグル観劇後「スタミュミュが一区切りした感」が強かった。3rdだがスタミュミュ2章という感じ。だから新たな気持ちでスタミュミュでの星谷くんたちの成長を見届けたい。

 

  まずはチケットをもぎ取ろう。

 

 

スタミュ上映会  会話風レポ 2017.07.16

2017.07.16 スクリーン5

 

★掛け合いと説明で文末が色々と変化します。ご了承ください。

 

開場前、映画館前には多くの人。以前のような「おまんじゅう」持ちの人は見かけず、痛バ持ちが多数。男性も何人か見かける。

 

開場後、スクリーン4・5にわかれ階段で入場待ち。入場はすぐに始まり、登壇者へのプレゼントは会場入り口のBOXへ。チケットの半券は抽選に使用。入場時に特典の受け渡し。特典はポスタ―と同じ柄のカード。裏面にはカウキャッチのSDイラスト。スクリーン入口の壁にteam鳳、team柊、華桜会の『SCREENING★PARTY』のポスター。

 

スクリーン前には椅子が5脚。足元にストローの刺さった水のペットボトル。

開演時間が迫ると正面からスポットライトで照らされた。その後、藤平さんが1人で登壇。

 

藤平さん

「急がなくて大丈夫ですよ!まだ席ついてない方もいらっしゃいますし。」

「みんな緊張していると思うので、どうぞ生暖かい目で見てください。『おいっ』って言うときとかは言ってくださいね。ここらへん(他4人の席辺りを指さしながら)ステージ冷たい空気になるから(笑)では登場していただきましょう」

 

登壇順は多田監督・ハラダさん・六ツ見さん・くまのさん

くまのさんは星のペンライトを振りながら登場。

席順は左から藤平さん・多田監督・ハラダさん・六ッ見さん・くまのさん

各挨拶はくまのさん・六ッ見さん・ハラダさん・多田監督の順

 

トークショー中はずっと2期BGMがながれていた。

 

◆放送を終えて

 

藤平さん

「では放送を終えての感想などを監督から」

多田監督

 「スタミュみたよーって言う方~」(手を挙げながら)

 参加者も手を上げる

多田監督

「じゃぁ、実は初めてっていう方!」

笑い声の中、手が一斉に下げられる。

 藤平さん

「いない!まさか、ここでいたらね(笑)」

多田監督

「2期から見たと言う方もいると思います。オリジナルストーリーということでスタッフに迷惑をかけながらも、好評のうちに終えられました。ありがとうございます」(大きな拍手)

 

◆各話について

 

藤平さん

「時間が短いので1~4,5~8,9~12幕に分けて各要注目点や小ネタなど」

 多田監督

「小ネタ…あぁ、戌峰くん…」(会場笑)

「1幕に出ない、ショック…と思った方もいると思います。でもこれは現場の仕込みで。彼は2期からだいぶ変わっているのですが、気づいた人ー」(会場軽くざわつき、手を挙げる人はほとんどいない)

 藤平さん

「みんな、戌峰好き!?」(会場笑)

「ではこの後の2幕で確認していただくということで」

 多田監督

「この人数だったらここで言っておかないと!(笑)実は、戌峰はキャラ表からリニューアルしていて、1期のような単なる明るい子のままではない…そうだ」

 

「前髪を伸ばせ」(会場笑)

 

多田監督

「1期の時はぱっつんだったんだけど、シャンデリアから登場する時なんか、かっこよくなってたでしょ?」

藤平さん

「くまのさん好きでしょ?」

くまのさん

「大好きです!!!」

多田監督

「この後の一挙上映の時はね、かみのびてるわぁ…って思って見てね」

藤平さん

「その流れでくまのさん、team柊のカメレオンスターについて」

くまのさん

「とても張り切って!書きました!」

「ハラダさんから頂いた仮タイトルをそのまま使っています。シナリオを読ませていただいて、このままでいこうと。カメレオンスターでよかった」

ハラダさん

「あのタイトルは軽い気持ちでつけました(笑)仮のタイトルが変わることの方が多いんです。あの曲は戌峰のセンター曲なんですが、team柊の『うちの戌峰すごいでしょ』ソングなんです。1期では言葉だけの『すごい』だったのが、2期では歌で表現されている」

藤平さん

「タイトルを見てまんまだな、このままの方がいいなと思った」

「というか、今、戌峰しかいないけど!ほら!2期には新キャラいたでしょ!フリ間違えた!?蔦がきたでしょ?」(会場笑)

「あの演出は監督が?」

多田監督

「あれは平田さん、2期チーフディレクター(?)が。彼は1期からのスタッフで、新しい人に頼むと『監督、蔦は必要ですか?』となる。でも平田さんは『蔦…いいですね(いい笑顔)』って言ってて(会場笑)そうしたら、思った以上に過剰に蔦が(笑)」

 

◆新キャラについて

 

藤平さん

「蔦の話があったので、揚羽から」

ハラダさん

「構成としては、星谷が鳳の黒い羽根に憧れて白い羽根をはやした。対する揚羽にもコピーの分かりやすい演出を考え、羽根に相当するのが蔦。もともとは蔦で人をからめとるのは遥斗のイメージです。」

「鳳は『自由って素晴らしい!人の目にどう映っても関係ない!』という考え方だが、遥斗はもう少し粘着質で…」(会場笑)

「遥斗は望んでなくても絡めとってしまう」

多田監督

「海斗が正にという感じ」

ハラダさん

「揚羽はというと、遥斗の魅力に囚われ内にこもってしまった。怪しい感じが揚羽にとてもマッチした。揚羽のビジュアルは想像通りで、ミステリアスなちょっと暗い感じ。」

 「蜂矢は対極の漫画っぽい感じ。少し星谷に似ている。誰に対しても平等にいい所を見つけられる。そしてちょっと気弱い。いわば光属性」

藤平さん

スタミュには属性持ちが!?」

ハラダさん

「team漣は闇属性」(会場笑)

 「南條なんかは、すごい嫌なことを言う。でもああ見えて悪い人ではない」

藤平さん

「ああ見えて!ああ見えて!ああ見えて!」(会場笑)

ハラダさん

「シナリオを書くとき苦労した。でも南條は声を当ててくれた竹内くんが想像以上に…すごく深みのあるお芝居をしてくれた。あの声があったから南條に血がかよって、描きやすくなった。この言葉の裏には何かあるんだろうなというような」

「北原は脳筋です」(会場笑)

 藤平さん

「すぐ有罪無罪で判断する、すーぐ白黒つけたがる」(会場笑)

 

丁度、遥斗のブロードウェイBGMが流れ出す

 

藤平さん

「この曲はあれですね、遥斗出てくるんじゃ?(笑)つぎはアンシエントについて」

ハラダさん

「アンシエントは出てからの人気がすごい。今、星☆箱でも彼らの中等部時代の話を連載中。遥斗は1期からだけど愛されているなと。」

藤平さん?

「アンシエントは登場の仕方ですよね(笑)」

くまのさん

「あの曲を歌っていただきました」

藤平さん

「アンシエントヴァ~ですもんね、ヴァ~」(会場笑)

「監督もこだわってあの曲(我ら、綾薙学園華桜会)を使いたいと。じゃぁ、イントロ違いにしよう。テンポは違うけれども。問題はサビの前。途中でつけたそう、となった。そこがあそこですよね(笑)」

くまのさん

「2段活用にしたくなった」

藤平さん

「活用してないけどね?(笑)」

くまのさん

「すごさを表したかったんです!!でも『か~ら~の~』は私じゃない!監督?」

「放送時、2段階活用…2段階?2段活用?皆さんの反応を見て嬉しくてうれしくて。ホッとしました」

藤平さん

「2段階じゃないでしょ?2段活用でしょ?(笑)」

「3話は星谷のソロ、RISINGSTAR。星谷と言えば六ッ見さん!初めて来てくださいました」

六ッ見さん

「ドキドキしてます」

藤平さん

「1期の星谷のソロの作詞も、2期のソロの作詞も六ッ見さんなんです。本編では特別エンディングで流れた☆☆永遠★STAGE☆☆も六ッ見さんの作詞です。星谷は明るくて光属性。性格の歪んだくまのさんではなく六ッ見さんにお願いしました」

くまのさん

「いつもこんななんですよ!」(会場笑)

六ッ見さん

「RISINGSTARは『希望の星』という意味。星谷が登場すると場の空気が変わる。『星のストライド』からの成長を表現した。星谷の素直さを出した」

藤平さん

「作詞家さんによって接し方が変わっております(いい笑顔)」

くまのさん

「ちょっと!!!」

藤平さん

「では次は4幕」

六ッ見さん

「私自身、歌舞伎が好きで。天花寺の背負う世界は皆が背負っているものと違う。4幕、星谷たち5人は初めて傾いている天花寺を目にし、刺激を受けた。この曲に関しては的確な発注があった。GO ALL OUTは全力という意味」

藤平さん

「的確な発注があったということですが?」

ハラダさん

「4幕は2期では思い入れがあって、天花寺が当然通るべき道の話。4,5幕は2期をやれるとなった時、必ず入れたいと思ったエピソード」

 

◆各話について

 

藤平さん

「時間が無くなってきました(笑)次は5幕について」

多田監督

「5幕は海斗の悩みの回。スタミュはミュージカルアニメなので歌がないと成立しない。制作時あそこに魚住がどう入ってくるのか気になっていたらしれっと入ってきてた」(会場笑)

藤平さん

「言わないようにしてたのに」

多田監督

「1期2幕の鳳登場シーンで、掃除用具入れから片足バケツに突っ込んだまま『そーの手を伸ばせよー』って出てくるのを本気で考えていたから(笑)」

くまのさん

「2人で歌うんじゃないんだ、魚住いるんだ!って思いましたもん」

多田監督

「急じゃないよ!覗いているの魚住だったでしょ!」

藤平さん

「初見じゃわからないですよ(笑)」

ハラダさん

「あんな風になるとは、あんなに笑えるミュージカルシーンだとは」(会場笑)

「もともと脚本家打ち合わせの段階では魚住と海斗の発注だった。魚住が海斗の手を引く様な。でも海斗の成長に星谷の存在は欠かせない。主人公として大きな力を注いだ。なので海斗の背中を押す星谷、手を引く魚住という構図にした」

 

藤平さん

「次は6幕からの合宿…」

会場

「くすくす」

藤平さん

「なんですかー?」(会場笑)

 「華桜会が登場するんですけどね。イントロは『我ら、綾薙学園華桜会』と同じにしようと思ってたんですよ…」(多田監督の方に向き直って)

 

「なんですかあれは」(会場笑)

 

 多田監督

「僕が話します!」(元気に手を挙げる)

「実は1期の頃から『華桜会のことは全てやる』と言ってきたのに、スケジュール的にあそこはできなかったんです。なのでプランだけ話して…」

 

「登場ですよね?」(会場笑)

 

藤平さん

「はい」

多田監督

「黒澤くんというスタッフがいまして、彼があの演出を考えたんですが…」

 

黒澤さん

『思いついたとき、天才かと思いました』

 

多田監督

「って言われました(笑)それであの華桜会が食材を担いでくる演出になったんですけど…ジャーでかくね?あれ」(会場笑)

 「しかも、黒澤くん、あのイントロ部分しかやってない(笑)歌の部分は高橋賢くん。いやぁ、あんだけイントロでぶん殴られて『どうしよう…』となったんですが、あそこからポップにしやがった!という感じ。もう、サプライズですよ。あんな風に持ってくるとは」

 

藤平さん

「7幕はFACEーOFF。スタミュって3人曲は少なかったんですけど、2期はいくつかありますね」

六ッ見さん

「有罪無罪はどこか美味しいところに置きたかった。あぁいう曲は好きで、書いているときは心を男にして書く。真剣になりだした彼らの曲」

 

藤平さん

「ここでですね、だいぶ時間が無くなってきたので…残りをまとめてハラダさんからお願いします!」

 ハラダさん

「無茶振りしますね!残りを一気に?次は8幕?」

藤平さん

「7~12幕の一番見てほしいところ、あ、7幕はFACE-OFFだから8幕から12幕まで」

ハラダさん

「やはり12幕。12幕は泣きながら書いた。8幕(?)も胸にくるものがあったが、12幕は涙があふれた。泣きながらと言っても、これはツライ涙ではなく、幸せ過ぎて涙があふれた。普段から泣いたり笑ったりしながら書いてはいるのですが」

「鳳にとって星谷は、食べてしまいたいくらい可愛い後輩。まるで自分の子供のような。でも星谷は子供じゃない。自分が好きにできるような対象でもない。もちろん他の4人も可愛いのだけれども、星谷から向けられている愛情は特別な物。そんな星谷が『自分と共演する』という夢を叶えることで先に進むのか、そこで満足してしまうのか。星谷の想いに答えるべきは自分なのに、足が竦んでしまっている。」

「星谷に何というべきか、ギリギリまで迷っていた。『今でなくても…』と言った鳳の言葉にハッとした表情を見せる星谷。『言ってほしくない!一緒にやりたいと言ってほしい』そんな星谷の想いを察し、鳳は手を差し伸べる。昭和の少女漫画のようなシーン。」

 「鳳と星谷の気持ちが憑依しているかのような状態で書いていた。台詞(脚本)が終わって歌のシーンはオンエアでないと見られない、すごく大切なシーン。2人で歌うShadow & Lightsは夢が叶い、遊びの時間が続いているという1期、OVA、2期、全てのクライマックスとなった。」

 

 

◆抽選会

 

景品は7つでクリアファイル、缶バッチ、ポスターなど。目玉は1幕と12幕の台本に登壇者のサインを付けて。

藤平さん

「台本です、サインがしてあります。1幕と12幕の台本しかないので、2幕から11幕はこの後見て補完してください」

抽選は、登壇者が順々に箱からチケットの半券を取り出す方法。

1階の参加者にしか当たらなかったが、最後の最後で2階の方に台本がプレゼントされた。

 

 

 ◆最後の挨拶

藤平さん

「では皆さん、立ちましょうか。最後の挨拶は私から」

「MCだけじゃなく、スタミュでは音楽プロデューサーをやっております。藤平直孝です。ほんと、駆け足の12週でした。そして12週、24曲…正確には最後はカーテンコールなので23曲か。お付き合いありがとうございました。盛り上げる幅を広げるため、色々な曲に挑みました。今日、また好きな曲が見つかるといいです。」

くまのさん

「この後、曲もお話もゆっくり見て楽しんでいってください。番組が始まるだいぶ前から、六ッ見さんとそれぞれの担当曲を手掛けて…もともと六ッ見さんとは仲良くさせていただいてるんです。こんなにも曲を愛していただけて、幸せだなと思っています」

六ッ見さん

「こういう場に立つのは初めてのことなので、すごく緊張していて。始まる前にくまのさんが『お揃いにしましょう!』と星のイヤリングをくださったのでお揃いでつけていたんです」(長めのチェーンの先に大ぶりの星がついたイヤリングをくまのさんは右耳に、六ッ見さんは左耳につけ、一緒に会場の方へ向けた)

「みなさんにすごく喜んでいただけているというお話を伺って、何か直接お礼が出来たらと、出演を決めました」

 ハラダさん

「2期では1期で書ききれなかった、それぞれの壁や決断を書くことが出来ました。12幕をこれからぶっ通しで見るのは体力がいると思います。」(会場笑)

 「2期はここで終わりますが、彼らの時間は止まらず進んでいきます。それでは12幕お楽しみください」

多田監督

スタミュは1期の頃から楽しい番組、でも楽しいだけじゃなくてストーリーもしっかりしている番組を目指しました。ストーリーが進むので時間も進んでいく…1期ではそれぞれの出会いを書いていきましたが、2期になっていよいよ舞台をやらなくてはならなくなりました。そこを目標にスタッフと頑張ってきました。音楽ものとして作っているので、こう言う設備の整った劇場で上映できるのは幸運なことですし、楽しんでいただけると思います。今日はありがとうございました」

 

大きな拍手とともに向かって右、くまのさんから順々に降壇。くまのさんはペンラをふりながら、六ツ見さん、ハラダさん、多田監督は軽くお辞儀をして、藤平さんは深く一礼して退場。

 

◆一挙上映

 

10分ほどの休憩の後、一挙上映スタート。

4,5幕と8,9幕の間に休憩。

 

カウキャッチは、

星谷のもとへ教え子たちの無礼を謝罪に来た漣。それでもなお2人はいいやつ!という星谷に対し『これが隠れネガティブ鳳を落とした光属性か』と呟く。

『星瞬ミュージカルアニメスタミュ!この後すぐ!』はいつも通り。

 

星谷の声が聞こえた瞬間、場内割れんばかりの黄色い声。しかしカウキャッチとわかるや否や「スン……」と静かになった。

 

1幕、蔦のシーン

有罪発言

シャンデリアの上の戌峰

魚住乱入

前華桜会ご登場

など、トークショーで話題になった場面では笑いがおこり、4,5幕や10幕~ラストは会場からすすり泣く声が。

 12幕の上映終了後、スクリーンが暗くなり、会場がやや明るくなってから割れんばかりの拍手。

拍手のなか藤平さんは登壇。なかなか鳴り止まないので、藤平さんが手で促す。

 

藤平さん

「この後、ミュージカルパート集が流れます。立ってもらっても、声を出してもらってもかまいません。疲れている人は座ったままでも大丈夫ですよ。できるだけ立ってもらった方が楽しいかも。2階席の前の方の方は立つと、ね、危ないから!」

「監督のTwitterで、上映会のセットリストは再編集しました!みたいに書いてあったと思うのですが、してまーーーせん!」(会場笑)

「でも、最後のGiftがカーテンコールになってます」(会場黄色い声)

 

このあと、藤平さんの「スタミュミュージカルパート上映~」の声に続いて「スタートーーー」の掛け声で上映スタート。

 

◆セットリスト

 

MOON Holic

RISING STAR

我ら、綾薙学園華桜会~アンシエントVer.~

カメレオン・スター!

花道∞GoAll Out !!

FACE-OFF

ユメツボミ

straightforward

WONDERFUL WONDER!

Knock on Dream!

Miracle Catcher

Growin' Up

Shadow&Lights

Gift~カーテンコールver.~

☆☆永遠★STAGE☆☆

 

ペンライト使用率は90%以上。手作りの団扇持ちの人も見かけた。

以前に比べてコールが増えた…というよりアイドル系コンテンツのコールやペンラの振り方をする人が増えたという感じ。

GRAVITYからのSATISFYは「からの」を言う人はほとんどいなかったが、あれだけ声援が送られていた会場が一瞬静まり返り、音楽と歌声しか聞こえなくなる面白い瞬間だった。GRAVITYとSATISFYは音域の関係もあるかもしれないがSATISFYの方が大きく聞こえた。

 

アンシエントへの声援がとにかくすごい。特筆すべきは、魚住朝喜に対する黄色い声…というか絶叫。そして朝喜呼び。魚住さんが画面に映し出されるたびに会場は絶叫に包まれた。あの熱はOVA先行上映会で事前告知なしにHEROISM++が流れた時に匹敵する。

戌峰くん・申渡くん・漣先輩への黄色い声も以前よりだいぶ増えた印象。

天花寺くんは相も変わらず翔さま呼びの人多数(天花寺翔後援会の人なのかもしれない)

 

S&L~Giftは本編のラストそのまま(途中台詞有)

☆☆永遠★STAGE☆☆はOVA2(卒業セレモニー)のミュージカルパート映像

 

その後スクリーンに「ご来場ありがとうございました」の1文が映し出され上映会は終了。拍手の後、じわーっとひとがるため息というかざわめきの中、会場を後にしました。

 

 

以上です。

読破した方、お疲れ様でした。

上映会・トークショーに参加できなかった方も、会場の雰囲気伝わるといいなと思います。

映画館という音響設備の整った環境で視聴すると、BGMやガヤ、環境音、気づかなかった音に色々気付けて、初見ではないのに新鮮でした。

 今日は大阪の上映会ですね。参加する方は楽しんでください!

 

スタミュ2期 全12幕を終えて やっぱり好き勝手書く

 

※前回のブログと同じくなるべく賛にも否にも偏らないよう、好き勝手書いてみようと思う。

 

OVA・ドラマCD・雑誌等のネタバレがあります。気になる方はブラウザバックをお願いします。こここうだよっていうものあれば教えてくれると嬉しいです。

 

 

 

 

はじめに

 スタミュ制作に関わった全ての皆さん、素敵な作品をありがとうございました。今後も何らかの形で、彼らのこれからを見守っていけたらと願っています。

 

 

 10幕後にブログを書き、11幕を見届け、12幕の幕が下りた。多田監督が「スタミュはその世界の”ハウツー”を描くのではなく、作品自体がミュージカル」であると発言していたが、フィナーレを飾るオールキャストの歌声、納まるところに納まったといえるラスト、まさにミュージカルという終わり方だった。特に揚羽の力強い「ウィー、メートルリオ!」の言葉には、ドラマCDや1幕での「後輩との共演を楽しみにしている楪」と「揚羽の成長」を思い返し、心にくるものがあった。

 11幕放送後、星谷降板は来てほしくないと思いつつ可能性としては考えたが、その代役が戌峰ではなく揚羽だということには驚いた。合宿回以降、揚羽の見せ場はもうないのだと思っていたし、やっと戌峰の見せ場が来るのだとも思っていた。華桜会の揃った舞台が見られない事実に次いで、とても残念な出来事だった。

 しかし、スタミュの2期は星谷と揚羽の関係が中心の物語。1期のように一人ひとりと仲良くなるのではなく、ターゲットは揚羽に絞り難敵にしているという監督の発言があった。そこに1期からの『憧れの人との共演』という要素が加わり物語が構成されている。

 

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 1期と2期の内容はこのようなイメージ。流れや印象的な場面は1期に似せて、星谷のメインターゲットは2期独自の差を出す。「空閑回」とはっきり書けないのが残念ではあるが、1期5幕・2期11幕とここぞというとき星谷の背中を押すのは空閑だった。

 個人的な意見ではあるが、スタミュは後半に試練的なものを持ってこない、日常回のようなものでも十分満足できる気がする。しかし、スタミュはミュージカル俳優を目指す高校生たちが主人公の”ミュージカル作品”なので、そうはいかないというのももちろんわかっている。

 こういうのが見たい、できればこうしてほしかったなんて意見は多々あれど、終幕を迎え、皆が笑顔で卒業記念公演を終えたのは何よりも嬉しい。

 

 

 今回もネタバレやら何やら混ぜつつ、自分がこの流れで腑に落ちるように力づくでこじつけていく。以前書いた「鳳と柊が一緒に遊べて、前華桜会の5人も同じ舞台に立て、team月皇としても今までに2度叶わなかった指導者に舞台を見せることができ、team鳳・柊の教え子も指導者と同じ舞台に立った姿が見たかった」という想いがあることを心の隅に置いておくと、また違った文章に見えるかもしれない。

 

 

事故について

 

 揚羽が謝っているが、あの事故の直接の原因が揚羽にあったとはいえ、大元の原因は中小路の装置(櫓?)への接触。そして中小路と万城目の処理不足、OKを出した南條・蜂矢の確認不足、マット周辺にいた人のトラブルに対する認識不足、そして最後に揚羽の対応の悪さが加わる。”手の空いている人”として舞台袖から合流した揚羽(+team楪)。彼らが来るまでには木材の撤去は終了し、箒で掃くだけとなっていた。掃除後もマットの周りには多くのスタッフが待機し、星谷の奈落落ちの補助に回っていた。画面に映っているだけでも8人。そのうち揚羽以外の全員が上を見上げていた。

 11幕後、揚羽を非難する声も見かけたが、どう考えても奈落スタッフ全体のミスだ。あれだけの人がいて釘の1本も見つけられなかった。表舞台に立たないスタッフもカンパニーの一員。成功させようという緊張もあっただろう。恩師の卒業公演ならなおさらだ。そしてあの見せ場、主役の奈落落ち。誰もが成功させようと、”星谷に怪我をさせまい”と上を向いていた。

 落ちていたのは釘1本。たかが釘1本だ。しかし落ちている場所はマットの上。何かが落ちてくれば釘もバウンドすることだろう。リハの映像を見る限り体に深く刺さる可能性は低いかもしれないが、跳ねた先が星谷の目だったら、顔に傷を負っていたら、それこそあの舞台に上がり続けることはできなかった。だからこそ12幕、謝った揚羽に対して天花寺が「そうじゃないだろ」といい、月皇も同意するのだ。あの台詞は慰めなんかではなく至極正論なのだと個人的には思っている。

 

 

怪我について

 

 星谷の怪我は、漣先輩の言葉の通りなら脱臼まではいっていない。なので関節がややずれた亜脱臼でどちらかというと炎症がひどい状態という仮定で書いてみる。星谷の「だいぶ楽になった」という台詞や肩の高さまでなら腕があげられることから、肩は動くが痛みで可動域が狭い状態と言える。

 人間とは不思議なもので、痛みを忘れる瞬間というのがある。スポーツをやっていた人なんかは特に経験があるかもしれない。それは過度な興奮状態、アドレナリンが分泌されて痛みという感覚がマヒした瞬間。ここでいうなら憧れの人=尊敬している人=鳳の「今のお前とやりたい」という言葉。周りの景色まで見えなくなるような高揚感。差し出された手に自然と自らの手が伸びる。

 

 気になったのは鳳の左目。魚住から星谷のことを告げられ、魚住の葛藤を知り、ある意味では説得を託される形になった。そして、星谷に気持ちを伝える場面、鳳の左目は前髪に隠され描かれていない。1期そしてOVAと、鳳が本心を隠すとき度々描かれなかったのが左目だ。1期11幕、想いでの野外ステージで星谷の背中を押すときは、左側からのカメラでも左目がしっかりと描かれていた。

 放送時、大事な教え子が怪我をしているときに「今のお前とやりたい」というだろうかとも思った。星谷のことを考えているのか、わがままで済まされるのだろうかと。

 

「今でなくても、いつかまた機会は廻ってくるかもしれない。お前がこの道を歩み続けるなら」

「だけど、俺は、今のお前とやりたい」

「待ちきれないよ、星谷」

 

鳳の言葉は10幕冒頭で聞いた柊の言葉に似ている。今でなくてもいい、でも今を選びたい。柊に背中を押され、舞台上の教え子をみて腹をくくった。しかし教え子の怪我、カンパニーに動揺が走り、プロである魚住も結論を出せずにいる。「あの世界に教え子を大切に思わない先輩はいない」「鳳は本心を隠している」という前提のもと、個人的に腑に落ちた結論は「鳳の賭け」だ。

 よくよく見てみると、鳳は星谷の状態を聞いただけで実際目にしていない。星谷はアイシングもテーピングも取り、上着を羽織って肩が見えない状態だったからだ。あの場面で星谷の状態を知っているのは、部屋にいる他のメンバーと視聴者である我々だけだ。星谷の肩の状態を直接見ていたならば発せられる言葉は違うものになっていたかもしれない。辰己や魚住が口にした現実的な意見は、「自分が行けば星谷は無茶をしたがる」と口にした鳳にもあったと思う。誰もが思っている、しかし感情という要因を足すとはっきりと誰も言えない。その状態で、怪我をおしてでも舞台に立ちたいという教え子に向けた言葉は、本当にやれるのか結論を星谷本人に託す、という賭けにも近いものだったのではないかと思う。

 

 

戌峰について

 彼に対しての意見は色々目にしたが、ここでは辛い可哀想なしに書きたいと思う。卒業記念公演の開演後「俺も出たかったなー」はただただ純粋な言葉だと思っている。「そうですね」と返した申渡の気持ちとは違う意味合いだろう。というのも「僕も出たかった」といっている、まさに目の前に天花寺がいるのだ。同じ役を競い、「かっこいい」と伝えるも嫌味に聞こえると言われ苦笑いし、オーディションに負けても笑顔で祝福する。素直ないい奴という言葉がよく似合う。そんな彼の言う「俺も出たかったなー」はハーディーという役に限ったものではない、ただ純粋な舞台への憧れに聞こえてならなかった。

  次にスイングについて。戌峰のスイングは必要だったのか。これは、必要だったと思う。実際問題代役は必要であるし、現に事故が起きた。育成枠ならその役を受けた候補生から個別に代役を立てればいいが、前華桜会の役回りは誰を代役として立てておくかという問題になる。もちろん他の卒業生という手もあるが、スタミュの構成上スイングという形で代役問題は全てカバーされた。

 戌峰は台本到着1日で立ち稽古ができるほどの天才。まだチームの配役決めすらはじまっていない段階でステップを踏んで見せた。彼にとっては日常がミュージカル。魚住もインタビューでは「アンシエント全員が度肝を抜かれた。初日から遅刻、振付を勝手にアレンジして困るが、将来が楽しみなのはダントツで戌峰」と回答している。

 

 12幕。本来ならば星谷の具合・未来・舞台の成功を考えて戌峰が代役でしかるべき場面。しかし、下された決定は代役揚羽。正直、この決定はいかがなものかとは思う。揚羽のコピーは確かにすごい。しかし、戌峰・星谷関係なくあの場の皆が揚羽に託せた根拠は何だろう。ずっと想っていた神様のコピーと今見て覚えて本番というのでは訳が違う。語られていないことはわからない。だからここでは揚羽の対応力と度胸は並みの人とは比べ物にならないとだけ思っておく。

 特筆すべきは揚羽の「ワンコ」呼び。揚羽は興味のないことには「アウトオブ眼中」、他人への呼び方は「キミ」が通常だ。いつも一緒の蜂矢、懐いてる辰己、興味がある月皇に対しては名前かあだ名で呼んでいた。特別と言える存在の星谷も、最初はキミ、打ち解けてから悠太。もちろんこれは二人称、揚羽の三人称レパートリーはわからないが、少なくとも揚羽に戌峰への興味があったのではないかと考えた。何せ戌峰は、上記のような天才だ。その片鱗を彼も目にしてきたものと思う。

 

 星谷の代役としてストレッチを始めていた戌峰が卯川に「代役揚羽」を伝えられた瞬間、正直、ここについては描写がないので何とも言えない。しかし、彼の真剣な表情からも見て取れる、スイングとして全ての役をこなせる技量。そして揚羽のフォロー。先輩による時間稼ぎ、これらが揃って星谷再出演の”地盤が固まった”。多くの人に支えられて舞台が成功した。あえて言うならば、星谷が感謝を伝える描写が欲しかった。カーテンコールが終わったら観客は舞台を見ることができない。あのあと星谷は病院に行ったのだろうし、バタバタしていただろう。なんと表現すればわかりやすいのか迷ったのだが、一番わかりやすい表現は「バクステをください」になると思う。

 

 

前華桜会について

 

 2期の華桜会は、5人ではなく教え子との関係が多く描写されていたように思う。後輩大好き5人組。

 

漣について

 team漣は漣が「いい子」を選んだつもりが、実力がありすぎてちょっと天狗になっている。本気になれない教え子たち。1幕から気づいてほしいことがあると気にかけ、12幕では北原が「てめぇは俺たちの本気も背負ってるんだ」と星谷に告げる場面で優しく微笑んでいる。星谷を降ろすか降ろさないかという場面、教え子の成長に喜ぶ漣と決断を先延ばしにした魚住との表情の差がすごい。

 

楪について

 team楪は楪の「みんな一緒に、心を一つに目標に向かっていってほしい」という想いの元、卒業記念公演にむけた指導を受けてきた。合宿回ではあんなことになってしまったが、2期は揚羽の成長物語でもある。 初めにも書いたが、アクシデントとはいえ共演することになった教え子(たち)への優しいまなざしと、揚羽の力強い返答はグッとくる。

 

暁について

 2期では教え子とのエピソードがないためか、全体的に後輩を支える縁の下の力持ち的ポジションだったように感じる。台本を確認しようとした星谷への言葉。アドリブで時間を稼ごうという提案。描写されている範囲では、あの舞台で一番冷静だったのは暁だったように感じる。1期では敵役扱いだった暁の成長・・・というよりも本来の暁鏡司を見れたような気がした。

 

柊について

 後輩との絡みは合宿合流時くらい。少し寂しい。しかし彼と教え子たちの関係を見ていて、どこか安心してしまうのは、OVA2の「だって、僕は柊先輩が見たいものをやりたいよ」と言った戌峰と教え子たちに対して「君たちは綾薙祭の公演でトップをとった、正真正銘スター・オブ・スターです。胸を張って、やりたいようにやりなさい」と言った柊の言葉があったからだと思う。鳳とteam鳳のような派手さはなくとも両者の繋がりをきちんと感じられるやり取りだった。(もちろん柊とteam柊が地味というわけではなく、どったんばったん大騒ぎ的な意味での派手さである)是非とも未来で共演をしてもらいたい。

 

鳳について

 おじいさまには「上面だけの愛想をふりまくな、お前の悪い癖だ」といわれ、暁には「いつも笑ってはぐらかす、そういうところが許せないんだ!」と胸ぐらまで掴まれた鳳が、弟に「いつまで臆病でいるつもりだ」と背中を押され、やっと決心したのは本番が始まってから。「キラキラしててふわふわって跳んで、黒い翼がバッサババババーン!!ってイメージで、とにかくすごかったー!」という星谷の前に現れるのは相当に恥ずかしいものがある気もするが・・・物語の最後で、お互い初めて相手を知った時の想いを口にし、やっと一歩を踏みだせた。鳳の今後が気になるところ。

 

 前華桜会は和解後、揃って舞台には立てていない。5人が揃った舞台が見たい。どんな形であれ、そのいつかが来るのを待っていたいと思う。そして、できる事なら5人とそれぞれの教え子との触れ合いをもっと見たかった・・・。

 

 ◆

 

星谷について

 6幕、鳳と遥斗とのこんな会話があった。

 

遥斗「魅力だけで通用するほどプロの世界は甘くない」

鳳 「あいつの夢はもっと身近なモノなんです。目標に向かって迷わずまっすぐ進むことができる。それが星谷の強みです」

遥斗「その先は見えなくてもいい?」

鳳 「あいつの可能性を信じています。今ある夢の先にもっと大きな夢が待ってる。それを叶えることが星谷にはできるんじゃないか。でも今は変わらずにいてほしいと思っている自分もいます。ダメですね、ただ綺麗だと思っていた輝きが今はまぶしすぎて目がくらみそうです。」

 

今の目標は憧れの高校生と同じ舞台に立つこと。先の夢や目標・進路を決めている仲間とは違い、星谷は今目の前にある夢に全力で進んでいく。スタミュ2期最終幕でその夢は叶うこととなる。月皇の「夢をかなえた気分はどうだ」という質問に「かわらない。不思議だけど今までと同じで・・・ううん、それよりずっとワクワクしてる。もっともっと前へ進みたくてうずうずしてる」と答える。彼の具体的な次の夢はわからない。でも主演・座長を経てもっともっと前に進みたいと思えるようになった。次、目の前にあるのは2年MSとしての綾薙祭公演だ。昨年通りなら2チームに分かれて行われる舞台。スタミュ2期は1期の最終幕のように季節がぶっ飛ぶことはなかった。何かしらの媒体で、綾薙祭公演も見届けてみたいものだ。

 

 加えて、2期最終幕Cパート。鳳からの宝物を机に置くシーン。冬服なのはどうしてだろうか。夏服のままだとただ腕が描写されるだけだから?冬服の方が画面映えするから?それとも時期に明確な意味が?あの公演の時だけではなく、時間がたっても宝物に支えられてる的な描写なのかもしれないが、実に気になる終わり方だった。

 

 ◆

 

さいごに

 

 2期に関しては色々な意見があるだろう。ネガティブな言葉もいろいろ目にした。1期の頃は平和でよかったと。でも私は1期に暁先輩や柊のおじいさまに死ねっていう人がいた事実を忘れられないし、自分が今持っている感想によって目につきやすい他人の感想なんかもあると思う。だから賛だろうが否だろうが他人がどう思うかよりも自分の意見を大切にして、同志がいたらただただ喜べばいいと思う。これはスタミュに限った話ではないけれども。

 

 もし続きがあるのなら・・・○○回を増やしてほしいなーと。もちろん、ドラマCDで名前がつけられた作品があるのだけど、私が見たかったのは「何かゴールに向かって歩みを進めていく中で一人ひとりにスポットが当たる」っていうのなんだろーなーと思った。もちろん人数が多くなりすぎるのでチームごとでもいい。今後そんな展開が来たら楽しいなーとおもいつつ、毎月1回の円盤特典を楽しんでいきたいと思う。

 

 

そして最後に一言。

 

推し!出ません!

 

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10幕について好き勝手書く

※なるべく賛にも否にも偏らないよう、好き勝手書いてみようと思う。

※ここはこうだよとか、これ違うよってあったらtwitterとかで指摘してもらえると助かります。

※ドラマCDの内容とかも織り交ぜて・・・なのでネタバレNG等、不穏な空気を察知した人はブラウザバックしてください。

 

 

 10幕は納得のストーリーというか、9幕からの流れだとこうなるわな、というストーリー。ある種の罪悪感を覚えた星谷が柊の助言で壁を越え、その柊は一足先に一つ先のステップへ。鳳はというと柊に背中を押され、さぁ、11幕へというところ。

 

 ストーリーがいい、このキャラはこんな人物じゃない、という様々な感想はあれど、星谷と柊の野外ステージでの会話で思い出されたのが1期11幕。野外ステージで再開した星谷と鳳の会話シーン。

 

 「役者は泣きたいときには笑うものだよ」から始まるこのシーンは、鳳の犠牲に疑問を投げかける星谷と、自分を切り捨ててでも目の前の夢をかなえてほしい鳳との掛け合いがみられる。星のストライド~鳳duo ver.~を挟んだこのやり取りで、星谷は決断し、鳳は教え子を送り出す。

 犠牲になったように見える鳳だけど、星谷に出会うことで黒い翼を白に戻すことができた。誰かが苦しいときに見ている誰かが輝きを与えてあげられれる。鳳は星谷に出会って、星谷は鳳に出会って輝くことができた。(※トークショーネタ)

 

 2期10幕と1期11幕が似ているなーと思ったのは、切り捨てるとかそういう物騒なところではなく、苦悩する星谷と想いを託す先輩の対比、そして2期でも変わらず星谷は先輩たちの決定に翻弄されるのだな、ということ。スタミュの2期はちょいちょい1期のオマージュ?(同じ公式が行うこういうのなんて言えばいいんですかね?)が入ってくるので、くすっとするんだけど、こういう辛い部分もかー、と。もともとのスタミュのコンセプトが、

・星谷の負の側面を描かない

・上記を一切描かずにドラマは作れないので、上級生の思惑に翻弄されるシチュエーションを与える

・誰かを恨む、人のせいにする言動を取らせない

というものなので、ほんと、相も変わらず翻弄されまくっている。ついでに言うなら見ている我々も翻弄されまくっている。

 個人的には星谷と柊の関係、柊の想い、鳳の想い、3人の関係はよかった。特に今まで想いを秘める描写の多かった柊が、自分の想いを他人に伝えたことで彼の想いを知る人間(星谷)ができたというのが嬉しかった。だからこそ、柊が抜けてしまうのは辛い。

 

 

 正直、9幕視聴後は

「一番来てほしくない(前華桜会が舞台で揃わない)展開が来てしまった」

「代役発表場面で終了したので星谷くんについてはまだ何とも言えない(拒否したり・周りが反発する展開もあり得る)」

「まだだ、まだ10幕の展開を見ないと・・・」

と、へこみつつも心の中のエース仙道が「視聴に集中しろ」と言ってくるので座して10幕を待つことにした。

 

 そして10幕。

「9幕Cから場面とんだー(ノ∀`)」

「みんな受けいれてる、いい子しかいねー(ノ∀`)」

もう、こんな心情である。それ故、MXの視聴時は辛いとかよりもくだらないことしか考えられなかった。

 

・アンシエントは衣替えしてないけど暑くないのかな
・千木良くんのTシャツ(△q△)
・みんな傘さして?役者は体調管理も仕事のうちでしょ?
・辰己「朝から何も食べさせてないからね」食べさせてないからね・・・食べさせて(エコー)
・ライバルたちの霊圧がどんどん消えていく
・北原くんは「塩結びはおやつ」だと漣先輩に教わらなかったのか
・急なパルテノン神殿風のギリシア要素で、9幕終了後に見かけた「スタミュはキンプリ、前華桜会はオバレ」が実現して5人が星座になってしまう
・鳳「やり残したことは?」→柊先輩との共演では?
・NRT発だからその飛行機ちg・・・いや、気持ちだなこういうのは
・辰己「少し先延ばしになっちゃったな(略」→共演してほしかった・・・いや、ほんと
・柊先輩の真っ白な台本に最初に書き込まれたのが名前を消す線と星谷悠太
・タヴィアンかわいいなぁ!!!

 

ほんと、エンカのタヴィアンお嬢さんはかわいかった。天花寺翔さまとタヴィアンお嬢さんの掛け合いが聴けるCDがほしい。にゃーにゃーいってるだけでいいから。

 

 

 10幕が終わり、安堵の涙を流す人、感想で殴り合う人、疑問を投げかける人、色々見かけた。個人的には「何故この流れにしたのか」派だ。もちろん批判はしない。これは好みの問題だから。基本、ハッピーエンド・大団円大好き。例えモブに厳しい世界でも名前や声帯のついているキャラには等しく幸せになってほしい。そしてこの上に「前華桜会5人が揃った舞台が見たい。OVAの特典映像、SING A SONG!MUSICAL!で実際5人が現実で踊っとされるが、本編で見たい」というのが加わる。つまり、この自分の好みに合うためには、この流れではだめだったということだ。だからこそ「星谷代役説」は来るな・・・来るな・・・と思ったし、来たからこそ「辛い・・・」となった。

 

 例えば、教師・在校生(あとは私服、スーツの観客もいるので関係者や家族。宝塚音楽学校風に言えば一般も少しはいるかもしれない)が主な観客であろう卒業公演とプロの世界、ブロードウェイの出演を秤にかけたら私はブロードウェイに行くべきだと思う。例え、演出の道へ向かう鳳を含む5人で同じ舞台を踏める最後のチャンスだったとしてもだ。だからこそ「9幕で降板が宣言された→10幕でブロードウェイを蹴ることはしてほしくない→10幕を視聴し、この流れになるわな」という感想に至るわけだ。

 しかし、これは既に提示された「卒業公演」か「ブロードウェイ」かという2択だからブロードウェイを選ぶのであって、この流れにならなければ「鳳と柊は一緒に遊べて、前華桜会の5人も同じ舞台に立て、team月皇としても今までに2度叶わなかった指導者に舞台を見せることができ、team鳳・柊の教え子も指導者と同じ舞台に立てた」んじゃないかなーーーーーと床に大の字になるわけだ。

 

大.o(こうなったら魚住先輩が鳳先輩を事務所に入れるしかないな。鳳先輩は歌って踊れる演出家になろ)

 

◆◆◆

 

感想的なのはここまで。

以降は「この展開を自分の中に落とし込むための考察やこじ付け」だったりするので、なっがい文章読みたくない場合は、ここでブラウザバックしたほうがいい。

 

◆◆◆

 

 10幕冒頭を見た時、これ時系列どこだ?となった。時期の言及がないが、大学構内のカフェを使っていること、外の人たちの服装や「その時が来たら自分で道を選んでみようと思います。結果、誰かに何かを託すことになっても」という柊の言葉辺りから、遥斗の渡米前かと思っている。その辺りを考えるため、改めてセカンドドラマCDを聞いてみた。

 

 9幕での柊の降板、10幕での星谷・鳳への言葉、それらを知った状態で改めて「セカンドドラマCD」を聞くとだいぶイメージが変わる。今まで「柊降板」というストーリーの切っ掛けは「早乙女律のマンションにて」の遥斗へのメールだと思っていた。しかし、今の状態で聞き直すと「早乙女律のマンションにて」の前「大学構内にて」の華桜会の会話に違和感を覚える。

 卒業セレモニーと卒業式を終え大学入学まで数週間。学部説明会のため大学に揃った前華桜会。構内のカフェで時間をつぶす5人。卒業記念公演の話になり、主演は柊、相手役は鳳だろうと話が進む。そして話はこう締めくくられる。

 

暁「僕らの教え子、僕らの指導者、そして僕ら自身。皆が参加するカンパニーか」

楪「トレビアーン!それが卒業記念公演デース!きっと、とっても素晴らしい舞台になりマース!」

柊「皆が参加するカンパニー。えぇ、素敵でしょうね」

 

 このドラマCDを購入したとき、最後の柊の言葉は『喜びをかみ締めている』のだと思った。数か月先の未来を想像し、バラバラだった5人・その指導者・教え子たち、全員が揃うことへの喜びの言葉だと感じていた。そう感じ取ったからこそ7幕の頃から多く目にするようになった「星谷代役説」は「来るな・・・来るな・・・」と毎週思っていた。

 しかし降板が決まり、彼の想いを知ってからドラマCDを聞くと「あー、これもう決意してるのか。で、次幕の『早乙女律のマンションにて』で遥斗さんに連絡するのか」という流れに変化するのだ。

 

詳しい時系列はわからないが、個人的な印象は・・・

 

卒業セレモニー(3/15)

in漣家

卒業式

鳳樹のマンションにて

大学構内にて

早乙女律のマンションにて

2期10幕冒頭

in空港

1幕(始業式4月上旬)

2幕(始業式の次の日+もう1日)

3幕(4月休日) ※1

4幕(5月) ※2

5幕(4幕の次の日+もう1日)

6幕(5月下旬~6月上旬) ※3

7幕(6幕の次の日+もう1日)

8幕(~6月中) ※4

9幕(6月下旬) ※5

10幕(7月)

 

※もう1日は翌日の場合もあるが不明の場合もある

※1.2 天花寺の持ってきたグッズが「桜姫」のグッズだった場合

※3  北陸新幹線沿いの水田、ビワ、山菜あたりでここらへん

※4  星谷がランバートの台詞を覚えるくらいは時間がたっている・ 合宿は3週間

※5  夏服になっているので前年でいえば6月20日以降

 

 この時系列で考えてみると卒業式後の「大学構内にて」では暁たち他のメンバーはまだ知らず、「早乙女律のマンションにて」で遥斗にメールがいき、2期10幕冒頭で直接相談。そして4月になった第1幕では既に暁たちの知るところとなっている。いつ伝えたのだろうか、遥斗に連絡する前?後?もしかしたら「大学構内にて」のあと、あの場所でかもしれない。

 先にあげた「大学構内にて」のラストの会話を聞いた後に、7幕の朝食中の会話

 

 漣「我々が教え子たちと揃ってステージに立つ、感慨があるな」

 鳳「揃ってか」

 柊「その件は月皇先輩たちに一任しています」

 鳳「そうだったね」

 

を聞くと辛さが増す。柊に打ち明けられた他の4人はどう思ったのか、どう納得したのか。特典ドラマCDとかで来そうでもあるけど・・・こわすぎるわなぁ・・・。

 

 

 裏ミッション=代役探しについて。2幕で初めて語られる「裏ミッション」については2幕~7幕までは「柊が合格し、育成枠を決定後、代役を選抜」しなければならなかった。なので合宿前までは「今はどうしようもない」と言われ続けた。5幕で遥斗へメールが届き、合宿初日の夜、アンシエントに柊の合格が告げられる。2日目には遥斗によって星谷が柊につけられ、3日目には個人戦の旨が伝えられる。

 遥斗が星谷の演技を見る機会は描写されてる限り、綾薙祭の1回だけ。in空港の時点ではteam鳳の顔もなんとなくしか覚えていない。いくら柊が「月皇先輩たちに一任している」とはいえ、魚住の報告、合宿初日夜の鳳との会話、それだけで遥斗がGOを出したとは考えにくい。なので、そこに絡んでくるのが10幕冒頭なのかなと個人的には思っている。

 

「今でなくてもいい、と思っていたこともありました。でも、今この瞬間でなければあり得なかった出会いやめぐり合わせがある」

―ハッとする遥斗

「その時が来たら、自分で道を選んでみようと思います。結果、何かを誰かに託すことになっても」

 

もしこの時に、10幕で星谷に打ち明けたような話を遥斗にしていたのならば、話はすんなりいく気がする。もちろんただの想像でしかない。しかし、1期12幕~OVAセカンドドラマCDを経て10幕の柊の言葉を聞くと、イメージがだいぶ変わる。

 

■1期12幕

柊「憧れの人、キミのことでしょ」

鳳「憧れの王子様なんて柄じゃないんだけどね」

 

OVA

柊「気乗りしないからと言って適当にやられてはこまりますよ」

鳳「学園や華桜会のやり方はやっぱり納得しきれない。こぼれた星屑たちを拾い上げもしないで、伝統だと言って切り捨てる」

柊「そう思っているのなら、尚更!」

***

柊「(12幕を思い返し)あの時思ったんです、この学園は少しずつ形を変えていくのかもしれない。でも僕らにはそれを見届ける時間はない。だから跡を継ぐ者に託すのです。彼らの未来を。可愛い教え子たちのためと思えば華桜会の選考にも身が入りませんか」

鳳「驚いたな、柊でも私情を挟んだりするんだね」

柊「勿論、華桜会の主席としてはあるまじきことです。なので、他言無用で」

***

柊「いい教え子たちですね」

鳳「どうしよう柊、泣きそうだ」

 

セカンドドラマCD

柊「我々は1年共に過ごした教え子たちを送り出し、自らも巣立つ。感慨があります」

柊「ですが、星谷くん。彼は君からの卒業はできても憧れの人からの卒業はできないんじゃありませんか?」

柊「いつか会いたい、同じ舞台に立ちたいと夢を見続けている。いつまでそのままにしておくつもりですか?」

鳳「卒業、必要なのかな?」

柊「彼の夢がいつまでも叶わないままでいいと?」

鳳「(略)今はまだ星谷には彼が必要なんじゃないかなって」

 

これを踏まえて10幕冒頭や星谷との会話を聞くと、(共演させるためのシナリオ的にとか言う話は別にして)

 

「自分は自分で決めた道を進もうと踏みだしたのに、恥ずかしいやら何やらで臆病風に吹かれている兄が自ら一歩を踏み出せるように、兄を変え周囲を変えた後輩に、自らが兄に伝えたかった言葉と同じ想いを持ち続けた後輩に兄の相手役を託す」だからこそ柊の代役は星谷でなければならなかった。基礎がなっていなくても役に入り込み、天才ではないが日々努力を続ける星谷。彼だからこそその一言一言がノックになって鳳に響く・・・。

 

っていう流れになるんじゃないかな、と。

 もちろん、あと2幕を見なければ鳳の反応はわからない。ラジオを聞く限り、もう一波乱あるようだが、これを書いてる時点では何とも言えない。ここに書いてあることが全部見当違いだったなんてことだって十分にあり得る。だが、代役を任されたからには、座長になったからには公演終了後「よかったね、星谷くんでよかった」といいたい。

 

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ここからは思い切り妄想だったり愚痴だったり。見なくて平気。

 

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  思い返せば今回の卒業記念公演はイレギュラーだらけで、その全てが今までの綾薙の通例から逸脱している。

 

1、アンシエントの1人、遥斗の不参加

2、書き加えられたエディ役

3、育成枠の個人戦

4、座長の降板

5、2年生座長

 

そして描かれないところでは、教え子たちの未来を託した後継ぎが華桜会として1年生を指導している。育成枠に選ばれた生徒が次期華桜会に選出されやすいと聞くが、現華桜会が初めて見る1つ下の世代の公演が「卒業記念公演」なわけだから、当然と言えば当然かもしれない。(そう考えると、歴代最強(と監督が思っている)とも言われる遥斗世代は全員バラバラのチームだったのだから、そこで選ばれた魚住・早乙女・双葉は綾薙祭公演が素晴らしかったのだろうか・・・みたい・・・)これらの「今までの綾薙を少しずつ変えていく力」が星谷世代の華桜会選抜に影響してくるのか、星谷世代の学年としての公演は綾薙祭で2チームに分かれて行われるが、「卒業記念公演 座長 星谷雄太」がどう評価を受けるのか楽しみだ。

 

 

 「スタミュに悪い人はいない」というのに安心して「報われない人・犠牲になる人は大いにいる」ということを忘れていた。1期でいえば一般枠。でも彼らは名前も声も持たないモブ。しょうがない。しかし、2期。まさかここまで名前はあるけど声のついていない子たちが不遇だとは思わなかった。1期は1幕に出ていた多くの部活が12幕の綾薙祭で名前が出ていて「この物語ではモブだけど、一人ひとり生活している」感があったり、在校生のガヤなんかもあったが、2期はそれもほとんどなくとても静かな狭い世界。

 人数が多くなりすぎるから、メインにはできないし、全員に声もつけられない。わかる。しょうがない。しかしできる事なら、南條くんには十文字くんの名前も言ってほしかった。あの場に彼がいなくてもだ。

 

 

 こんなところだろうか、書いている本人は結構すっきりした。たぶん、推しキャラがいる人、箱推しの人、作品推しの人、色々いると思う。推しが不遇だったり、展開にNOを突き付けたい人もいると思う。その感想は後に変わるかもしれないし、去る人だっていると思う。それでいいと思う、個人の感想なんだから。こう思わない人は愛が足りないとか、作品をきちんと追えてないからだとかいう人もいるけど、他人の感想はあくまでも他人の感想で、自分が感じたことがあるのならそれが全てだ。

 個人的にはあと2幕を見届けたい。今の展開から想像できるものが本当に来るとは限らないから、中座せず、終幕まで見届けたい。

 

 たまに「推しを人質に取られている」なんて表現を目にするけど、そっか、推し画面にいるんだ。私?遥斗さんとゆうつむちゃんが好きだけど、最推しはまだ出てないかな。

 

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あと2幕・・・見届けたい。